3 都道府県及び市町村における食育に関する取組
「食育月間」には、食育推進運動を重点的かつ効果的に実施し、国民の食育に対する理解を深め、食育推進活動への積極的な参加を促し、その一層の充実と定着を図るため、地方公共団体、各地の保育所、学校、図書館、飲食店、企業等において、各種広報媒体や行事等を活用した取組が展開されました。
具体的には、自宅で食への興味・関心を高めるきっかけになるよう、子供と作れる簡単レシピの動画の作成及び配信の実施、野菜や果物をあまり摂取しない傾向にある若い世代を中心に野菜や果物をしっかりと食べて栄養バランスのよい食事を目指してもらうためのソーシャルメディアを活用したフォトコンテストの実施等、様々な場面で多様な活動が展開されました。
なお、農林水産省では、ウェブサイトにおいて各都道府県等における「食育月間」の取組事例について情報提供を行っています(*1)。
*1 都道府県・政令指定都市の取組(農林水産省):https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/gekkan/torikumi.html
コラム:「食育月間」の取組「消費者の部屋」特別展示
食育の週~国産食材を知ろう、学ぼう~

「消費者の部屋」特別展示
食育の週~国産食材を知ろう、学ぼう~
チラシ
「食育月間」の取組の一環として、令和2(2020)年6月22日から26日まで、農林水産省の「消費者の部屋」において、「食育の週~国産食材を知ろう、学ぼう~」をテーマに特別展示を行いました。
令和2(2020)年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、例年実施していた実演・体験・ミニ講演会などを行わず、パネルや物品の展示を中心に、国産食材について紹介を行いました。
食育の大切さについて学べる「食育ってどんないいことがあるの?」、米や米粉を使った製品やレシピを紹介する「お米と米粉」、ヨーグルトの特徴や健康効果などの豆知識やレシピを紹介する「愛してミルク?~ヨーグルトってなに?~」、野菜、果物の旬などについて学べる「野菜・くだものをもっと知ろう」、農業女子プロジェクト(*1)の取組や開発商品を紹介する「農業女子PJ」、原木しいたけの展示やきのこを使ったレシピを紹介する「きのこ・いろいろ レシピ・いろいろ」などのコーナーを設置し、様々な国産食材について知り、その良さを理解するきっかけづくりとなる内容としました。
展示期間中は、来場者が熱心に展示に見入る様子も見られました。特別展示により、多くの方に国産食材の魅力を知ってもらうことができました。
*1 農林水産省が平成25(2013)年から、女性農業者の知恵を様々な企業の技術等と結びつけ、新たな商品やサービスの開発を行い、社会での女性農業者の存在感を高め、職業としての「農業」を選択する若手女性の増加を図ることを目的として実施しているプロジェクト
事例:未来の管理栄養士・栄養士と調理師がコラボ-学生料理レシピコンテスト「学生チーム対抗「あいち元気レシピの競宴」」
愛知県
第15回食育推進全国大会(以下「全国大会」という。)は令和2(2020)年6月に愛知県で開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の発生状況を踏まえ、感染拡大防止の観点から中止となりました。
愛知県では、全国大会の企画の一つとして、学生料理レシピコンテスト「学生チーム対抗「あいち元気レシピの競宴」」を実施する予定で準備を進めていました。これは、県内の管理栄養士・栄養士を目指す学生等と調理師を目指す学生等がコラボチームを結成し、「今、子どもたちに食べてもらいたい“元気レシピ”!」をテーマに、愛知県産の野菜、果物、卵、魚、味噌の中から、2つ以上を取り入れたレシピを考案し、大会会場内のキッチンステージで調理を実演し競い合うという企画でした。
全国大会の中止が決定した段階で、既に学生同士がチームを結成し、レシピの検討等を始めていたことから、感染拡大防止のため、当初予定していた学生による調理ではなく、プロの調理師による代理の調理により審査を行う形式で、令和2(2020)年10月にコンテストを実施しました。全8チームが愛知県産の食材を使い、おいしさだけでなく栄養面のバランスや食物アレルギーにも配慮した、アイデア満載のレシピを作成しました。
最優秀賞を受賞した「NGY 愛知の恵みつたえ隊!」は、献立作成を得意とする名古屋学芸大学のメンバーと、フレンチの技術をもつ名古屋ユマニテク調理製菓専門学校のメンバーがタッグを組み、愛知の多種多様な魚介をたっぷり詰めた「愛知の恵みぎゅっと、宝箱寿司」を考案しました。和の箱寿司には、フレンチの手法を生かし、洋の要素が入れ込まれ、具にしたあさりの味噌煮には、子供たちにそのすばらしさを伝えたいと愛知の豆味噌を使用しました。
学校や企業、病院等の給食施設では、共に働く管理栄養士・栄養士と調理師のコミュニケーションがとても重要です。参加した学生からは、「味と栄養のバランスを考え、お互いの意見にどう折り合いをつけるか難しかったが、新たな気付きもあり、相互理解につながりとてもためになった。」といった感想があり、献立を考える人と調理する人がしっかりと話し合い、協力することの重要性に気付くよい機会となりました。
また、本コンテストの実施を通して、学生のみならず、審査や調理において協力していただいた団体や企業の方々とも新たな連携を図ることができました。こうした連携や協働を財産として、今後も本県の食育の一層の推進に努めていきます。
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